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光学機器について(その2)

実視界について

 望遠鏡や双眼鏡などの仕様には、一度に見える範囲をあらわす実視界があります。実視界は角度で表示される場合と、1,000m先の見える範囲をメートルで表示する2種類があります。どちらも認められている表記で、海外で販売されている製品の中にはyds(ヤード)などで表示されているものもあります。
 例えば「70/1,000m」と表示されている望遠鏡の場合、下記の表から角度表示になおすと「4°」となります。
角度(°) 視界直径(m)
0.1 1.75 3.1 54.12 6.1 106.57 9.1 159.16
0.2 3.49 3.2 55.87 6.2 108.32 9.2 160.92
0.3 5.24 3.3 57.61 6.3 110.07 9.3 162.67
0.4 6.98 3.4 59.36 6.4 111.82 9.4 164.4
0.5 8.73 3.5 61.11 6.5 113.57 9.5 166.19
0.6 10.47 3.6 62.85 6.6 115.32 9.6 167.94
0.7 12.22 3.7 64.60 6.7 117.07 9.7 169.70
0.8 13.96 3.8 66.35 6.8 118.82 9.8 171.46
0.9 15.71 3.9 68.09 6.9 120.57 9.9 173.22
1 17.45 4 69.84 7.0 122.33 10 174.98
1.1 19.20 4.1 71.59 7.1 124.08 10.1 176.74
1.2 20.94 4.2 73.34 7.2 125.83 10.2 178.50
1.3 22.69 4.3 75.08 7.3 127.58 10.3 180.25
1.4 24.44 4.4 76.83 7.4 129.33 10.4 182.01
1.5 26.18 4.5 78.58 7.5 131.09 10.5 183.77
1.6 27.93 4.6 80.33 7.6 132.84 10.6 185.53
1.7 29.67 4.7 82.08 7.7 134.59 10.7 187.29
1.8 31.42 4.8 83.82 7.8 136.35 10.8 189.06
1.9 33.16 4.9 85.57 7.9 138.10 10.9 190.82
2 34.91 5 87.32 8 139.85 11 192.58
2.1 36.66 5.1 89.07 8.1 141.61 11.1 194.34
2.2 38.40 5.2 90.82 8.2 143.36 11.2 196.10
2.3 40.15 5.3 92.57 8.3 145.12 11.3 197.86
2.4 41.89 5.4 94.32 8.4 146.87 11.4 199.63
2.5 43.64 5.5 96.07 8.5 148.63 11.5 201.39
2.6 45.39 5.6 97.82 8.6 150.38 12 210.21
2.7 47.13 5.7 99.57 8.7 152.14 12.5 219.04
2.8 48.88 5.8 101.32 8.8 153.89 13 227.87
2.9 50.63 5.9 103.07 8.9 155.65 13.5 236.72
3 52.37 6 104.82 9 157.40 14 245.57

望遠鏡で離れたものが拡大されて見える理由

 天体望遠鏡や双眼鏡などの望遠鏡は離れたものを拡大して見る事ができます。数メートル先のものから、夜空に浮かぶ月や星など、はるか遠くのものまでその作用は及びます。基本的ではありますが、その仕組みについて弊社なりの言葉で述べたいと思います。

 皆さんも同じだと思いますが、小さくて見えにくいものは、なるべく眼前近くに持ってきて見ることだと思います。それでも見えにくい場合は虫メガネ(ルーペ)を使って拡大します。基本的には望遠鏡も全く同じ事をしていて、レンズを使って離れたものを近くへ運んでいるのです。下の写真をご覧下さい。ちょっと解りづらいかも知れませんが、下の写真は天井の蛍光灯を、机の上にある新聞紙の上に像として映したもので、蛍光灯と新聞紙の間には虫メガネ(凸レンズ)が一枚あるだけです。夜空に浮かぶ月も同様、虫メガネを使って、像として手元に映すことが可能です。

 虫メガネを使って離れたものを眼前近くに映すことができました。言い換えれば、コピーを手元に作ったと言っても良いでしょう。もう一枚虫メガネがあればこれを拡大して観察する事ができます。
虫眼鏡がつくる蛍光灯の実像 虫メガネがつくる天井にある蛍光灯の実像

 このようにして虫メガネでコピーしたものを凸レンズの実像(real image)と言います。この場所にフィルムがあればカメラ、CCDやCMOSなどの撮像素子があればデジカメやビデオカメラとなります。動物の目も同様、網膜上に実像が作られています。この実像を凸レンズでさらに拡大しているのが望遠鏡で、実像を作るレンズを対物レンズ、実像を拡大させ、虚像として観察できるようにした凸レンズを接眼レンズと呼びます。

 虚像(virtual image)とは虫メガネで新聞などを拡大させて見る時にできる像のことで、実像とは反対に、レンズより新聞紙側にできる像を言います。虚像は凸レンズの焦点より内側に新聞紙を置くことで見る事ができ、虫メガネを使うとき、誰でも自然にそれを行っています。

 基本的には2枚の凸レンズがあれば望遠鏡になり得ますが、それだけでは実物を忠実に再現して観察できません。ゆがんだり、色がにじんだり、ピント合わせも大変です。収差と言う2枚の凸レンズだけでは解決できない問題が残ります。われわれ製造者はお客様が観察したい、離れたところにあるものを望遠鏡等で忠実に再現、拡大すべく計算や設計、製造を行っております。

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Hifumi Optical Co., LTD.

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